中古戸建ての注意点5(床)

床のきしみや家のゆがみ

歩くと床がきしんだり、なんとなく室内がゆがんでみえるといった症状は,もしかす
ると,その家に大病が隠れているのかもしれません。

中古戸建の賢い買い方/床

床のきしみの2大原因

床がきしむのには、大きく次の2つの原因があります 床板に問題がある場合と、床の工法に問題がある場合です。
前者はたいして問題ではありません。しかし、素人にはきしむ原因がこのどちらであるかがすぐにはわかりません。この原因を究明するには床下を覗いてみるのが一番です。

まだ居住者のいる中古戸建てで床下を覗き込むのは気が引けますが、実際に床にきしみがあるのですから、その原因を追求するのはとても大事なこと。

「いつから発生しているのか?」
「ずっと同じかひどくなっているのか?」を尋ねたうえで、ぜひ床下を覗かせてもらいものです。

床のすぐ下には、土台のほかに天引き」という床板を支える横梁が通っています。大引きを地面で支えるのが「束柱」と「束石」です。

この天引き+4柱+4石」にすきまがあったり ズレたりして緊結されていない例が多くみられ、欠陥住宅では典型的な手抜き工事のひとつとされています。

この部分に手抜きがあると床はきしみます。
その反対に、ここがしっかりしているなら原因は床板にあります。

その場合は板の境目に接着剤を流し込んだり,クギを打ち付ければ大概のきしみ止まります。

家のゆがみは基礎土台に難点がある

その家全体にゆがみやねじれを感じるというのなら”基礎の欠陥や土台に手抜きがある場合があります。そうした中古戸建に手を出すのはやめるべきです。できあがっている家は、壁の内側を覗けないので構造部分のチェックが難しいのですが、それだけにちょっとした違和感にも敏感になることが大事。

「音が抜ける」「暑い,寒い」「壁面にすきま」「建具が開閉しにくい」
などといった現象に注目しましょう。

家の傾き、ゆがみは小道具を使って調べる

どうも床が傾いているようだと感じるようなら、その中古戸建には重大な問題がひそんでいるかもしれません。

床の傾きは玉を転がしてチェック

傾きをチェックする一番手っ取り早い方法は、よくいわれるように、ビー玉などを床に置いてみること。
ピンポン玉などあまり軽いものは空気の流れにも揺れてしまうので、一定の重さのあるモノのほうがおすすめです。

全部の部屋で試してみて1方向だけに転がるのでなければOKです。ただしどこの部屋でも、中心に置くとスミに向かってゆっくり転がるのは、欠陥ではありません。

かなり精密な工事をするときはあえて中央を少し高めにすることがあり、これはむしろ超高品質中古戸建といえます。

床の傾きは、基礎や土台工事の段階ですでに狂いがあったり、きしみなどと同様に床組みの施工が悪い場合があります。

床下を覗いたら、「基礎と土台の間に木片を挟んで調節してあった」などというのは手抜き工事の典型。不同沈下を起こす最悪のケースもあります。

柱や壁の傾きは糸があればわかる

もしも床に重大な問題があって傾いているのなら、当然,柱や壁にも影響が出ています。柱や壁が垂直に立っているかは、「柱と柱」「柱と建具枠」「建具枠と建具枠」のように、垂直・水平なもの同士を重ねてみればおおよその見当がつきます。

もっと正確に知りたいなら,糸の先に5円玉などをくくりつけて柱や壁に沿って吊り下げてみるとチェックできます。柱や壁に対して真っすぐ吊り下がっているならOK、斜めにみえるなら欠陥中古戸建ての可能性大です。

建具が開閉しずらかったり枠との間にすきまができる中古戸建もあります。建具は30年以上も前からほぼ完全に工業製品で、手づくりはむしろ例外なので、きちんと閉まらない原因は建具ではなく家のほうにあると考えましょう。

家にゆがみや狂いがある場合は根本的な欠点を抱えている場合が圧倒的多数です。疑問をもったなら、専門家の診断を仰がなければなりません。専門家の結果がバツなら、大金をかけずに修復するのは不可能なので、購入するのはやめましょう。

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