屋根の傷みをチェックする
屋根には「オーソドックスな形」があります。けれど、昨今の中古戸建ては独自の雰囲気を醸し出すために小ワザをきかせたり、あるいは敷地の形状に合わ複雑な屋根のせるために、複雑な組み合わせになっていたりします。
屋根の形状の利点・弱点
切り妻
単純で合理的なので昔から主流になっている形。一般的に屋根といえばこれ。屋根裏に通風口を設けやすく機能的。シンプルでコストが安い、屋根裏部屋を作りやすい利点がある。
妻側(切り取ったほう)が防水に弱いのという弱点がある。ここに取り付けられた破風(側板)などに雨による腐りに注意。
寄せ棟
三角形と台形を組み合わせた形で、優しい印象を与える。切り妻より防水に強いのが利点。通風口が軒裏にしか設けられないので屋根裏の風が通りにくいのが弱点。軒天に換気パネルが設けてあるか、そこにシミやカビがないかなどチェックしたい。
片流れ
切り妻屋根を半分に割った形。斬新なイメージがあり採光にも有利な利点がある。風圧を受けやすい弱点がある。
材料の傷みを目で確認する
屋根を一見しただけで雨漏りを発見するのはプロでも困難。なので雨漏りの発見は室内チェックに譲り、屋根は主に材料から耐久性をチェックします。
トタン屋根は4、5年、セメント瓦も6、7年で塗装がはげだします。サビが浮いたり、白茶けてきているようなら再塗装の時期。
放置すれば大補修が必要になって費用も嵩むので、少々の出費は覚悟しておかなければなりません。
てっぺんにある「軒包み板」や、瓦棒を包む「カッパ」の浮きやサビにも注意を払いましょう。
台風などでゆるんでいるケースが多く、これが雨漏りの原因になることが少なくありません。
瓦屋根は比較的耐久力がありますが、ズレや剥がれがないかチェックが必要です。
雨上がり後に雨漏りをチェック
最初から欠陥住宅だったり、なにかの衝撃で屋根が突然大きく破損しないかぎり、雨漏りははじめはほんの少しだけ、そして次第に漏れが多くなっていきます。
天井や壁と天井の境界あたりに雨じみができているのなら、それはだいぶ雨漏りが進行している証拠。
そこまでひどくない雨漏りをチェックするには、雨がやんだ少しあとが唯一のチャンスです。時間が経っと内部を伝った雨水は木材にしみ込み、次第に乾いてみえなくなってしまいます。雨漏りのチェックは、雨上がりを狙って出かけていきましょう。
その際、みるのは屋根裏と軒先回りの2か所。屋根裏チェックには懐中電灯が必須アイテム。シミの出ているところを中心に、四方と上方向を確認します。必ず発見できるとはかぎりませんが、雨上がり直後は雨水がまだ漏れていて、水が明かりに反射して光ってみえるので発見しやすいはずです。
軒先のほうは雨が上がって少し時間が経ち壁面が乾き始めたころがベストタイミング。軒天(軒先の天井板)や鼻かくし(軒先にめぐらした板)かまだ水がしたたり落ちているようなら雨漏りが進行しています。